蓄電池部材ランキング #01
系統用蓄電池を支える部材は、どこから来ているのか?
輸入統計で見る蓄電池サプライチェーン

系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力の需給調整や出力変動への対応を支える設備として注目されています。
一方で、蓄電池は「大きな箱」だけで成り立っているわけではありません。電池セル、モジュール、コンテナ、PCS、BMS、空調、消火設備、監視制御システムなど、さまざまな部材や機器の組み合わせによって構成されています。
では、こうした蓄電池関連の製品や部材は、どの国・地域から日本に入ってきているのでしょうか。
本記事では、財務省貿易統計や電池工業会が公開している統計をもとに、系統用蓄電池を支えるサプライチェーンの一端を簡単なランキング形式で整理します。
※本記事は公開統計をもとにした参考整理であり、個別の系統用蓄電池案件で使用される部材の調達先、メーカー構成、仕様を直接示すものではありません。
まず見るべき統計品目
蓄電池関連の輸入動向を見るうえで、まず確認しやすいのが、税関の統計品目にある「リチウム・イオン蓄電池」です。
| 統計品目番号 | 品目名 | この記事での見方 |
|---|---|---|
| 8507.60 | リチウム・イオン蓄電池 | 蓄電池本体・セル・モジュールに近い輸入動向を見る入口 |
| 8507.90 | 部分品 | 蓄電池関連部材の参考情報として確認 |
ただし、貿易統計の品目分類と、実際の系統用蓄電池プロジェクトで使われる部材分類は完全に一致するわけではありません。
そのため、本記事では「系統用蓄電池の部材そのものの完全な調達先ランキング」ではなく、公開統計から確認できる範囲で、蓄電池関連品目の輸入動向を整理します。
参考元:
税関 関税率表 第85類
ランキングを見る前に|リチウムイオン電池の輸入金額は増えている
まず、リチウムイオン電池の輸入規模を確認します。
電池工業会が財務省貿易統計をもとに整理している「電池輸出入5年間推移」によると、リチウムイオン電池の輸入金額は以下のように推移しています。
| 年 | リチウムイオン電池の輸入金額 |
|---|---|
| 2021年 | 1,860億円 |
| 2022年 | 3,009億円 |
| 2023年 | 4,104億円 |
| 2024年 | 4,021億円 |
| 2025年 | 4,413億円 |
2021年から2025年を見ると、リチウムイオン電池の輸入金額は大きく増えています。
この数字だけで系統用蓄電池向けの輸入量を直接示すことはできませんが、蓄電池関連市場を支える輸入規模が拡大していることは読み取れます。
参考元:
一般社団法人 電池工業会「電池輸出入5年間推移」
輸入相手国ランキング|リチウム・イオン蓄電池はどこから来ているのか
次に、リチウム・イオン蓄電池の輸入相手国を見てみます。
財務省貿易統計をもとにした参考データでは、2024年4月のリチウム・イオン蓄電池の輸入額において、中国からの輸入が 73.6%、韓国からの輸入が 12.3%、その他が 14.1%となっています。
輸入相手国シェア(2024年4月 参考)
| 順位 | 国・地域 | 輸入相手国シェア |
|---|---|---|
| 1位 | 中国 | 73.6% |
| 2位 | 韓国 | 12.3% |
| 3位 | その他 | 14.1% |

この月次データでは、中国と韓国の上位2か国で全体の8割以上を占めています。
もちろん、これは単月の参考データです。年次集計や最新月の状況によって比率は変動するため、記事更新時には最新の公開統計を確認しながら見直していくのがよいでしょう。
参考元:
GD Freak!「リチウム・イオン蓄電池の輸入動向 HS850760」
部材ランキングとして見るときの注意点
「蓄電池部材ランキング」と聞くと、正極材、負極材、電解液、セパレーター、集電体などを国別に並べたランキングを想像しやすいかもしれません。
ただし、公開されている貿易統計では、実際の部材用途と統計品目の分類が必ずしも一対一で対応しているわけではありません。
たとえば、リチウムイオン電池に使われる部材であっても統計上は化学品、金属材料、電気機器の部分品など、別の分類に含まれる場合があります。
そのため、公開記事としては、以下のように扱うのが安全です。
| 見方 | 記事での扱い |
|---|---|
| リチウム・イオン蓄電池 | 輸入動向の中心として扱う |
| 蓄電池の部分品 | 参考情報として扱う |
| 正極材・負極材・電解液・セパレーター | 今後の追加調査テーマとして扱う |
| 個別案件の調達先 | 本記事では扱わない |
つまり、本記事では「個別プロジェクトで使われる部材の調達先」ではなく、「蓄電池関連品目として公開統計から確認できる輸入動向」を整理しています。
地域別に見ると、輸入先の偏りも見えてくる
電池工業会では、月別の地域別輸出入金額も公開されています。
この統計では、二次電池の輸入について、東南アジア、欧州、北米、中米、その他といった地域別の金額を確認できます。
| 確認できる項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 地域別の輸入金額 | どの地域からの輸入が大きいか |
| リチウムイオン電池の輸入額 | 二次電池の中でどの程度の比重があるか |
| 月次推移 | 特定の月に輸入額が大きく変動していないか |
こうしたデータを重ねて見ることで、蓄電池関連品目がどの地域に依存しているのか、どのような地域から多く輸入されているのかを把握しやすくなります。
参考元:
一般社団法人 電池工業会「月別地域別輸出入金額」
系統用蓄電池は、設備単体ではなくサプライチェーンで見る
系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの調整力として注目される一方で、多くの部材、製造工程、輸入、制度、運用設計に支えられています。
輸入統計を見ると、蓄電池は単なる設備ではなく、国際的なサプライチェーンの上に成り立つインフラであることが分かります。
そのため、導入を検討する際には、設備の容量や価格だけでなく、以下のような視点も重要になります。
- どのような用途で使うのか
- どの時間帯に充放電するのか
- 太陽光発電や需要設備とどう組み合わせるのか
- 系統接続や運用条件に合っているか
- 将来的な電源構成の中でどの役割を持たせるのか
蓄電池は「置けば終わり」の設備ではなく、発電、需要、系統、運用をつなぐ構成要素として考える必要があります。
まとめ
今回のランキングでは、リチウムイオン電池の輸入統計を入口に蓄電池サプライチェーンの一端を見てきました。
ポイントは以下の3つです。
- リチウムイオン電池の輸入金額は、2021年から2025年にかけて大きく増えている
- 2024年4月の参考データでは、中国と韓国からの輸入シェアが大きい
- 部材別ランキングを扱う場合は、統計品目と実際の部材用途の違いに注意が必要
系統用蓄電池を考えるときは、設備そのものだけでなく、その背景にある部材、輸入、サプライチェーン、運用条件も含めて見ることが大切です。
今後の「蓄電池部材ランキング」では、正極材、負極材、電解液、セパレーター、集電体など、蓄電池を支える部材ごとの動向も公開情報をもとに整理していく予定です。
データの見方について
本シリーズでは、貿易統計上の品目分類をもとに輸入相手国や構成比を整理したものです。統計上の品目と、蓄電池に実際に使用される材料・部品の範囲が完全に一致するとは限りません。
掲載データは、個別製品の原産国、製造事業者、品質、性能、調達先または最終用途を示すものではありません。
AI利用に関する制作注記
本記事は、公開資料をもとに生成AIを情報整理、記事構成および文章作成の補助に利用し、株式会社サンパワーが出典、数値、内容、表現を確認・編集しています。
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