
離れた太陽光発電所と工場をつないだ自己託送の実例
自己託送は、離れた場所にある発電設備でつくった電気を一般送配電事業者の送配電ネットワークを介して需要施設へ届ける仕組みです。
株式会社サンパワーは、三重県津市の太陽光発電所から約20km離れた豊国製油株式会社様の工場へ、再生可能エネルギー電力を届ける自己託送プロジェクトに取り組みました。
本プロジェクトは、2022年の運用開始時には豊国製油株式会社様、RE100電力株式会社、株式会社サンパワーの3社体制で構築されました。その後、運用体制を変更し、現在は株式会社サンパワーが自己託送の運用・アグリゲーション業務を担当しています。
サンパワーは、発電所の土地調達、地域への説明・調整、設計・施工、通電から、現在の自己託送運用までを一貫して担っています。
このページでは、発電所と需要施設の構成、プロジェクトの関係者、サンパワーの対応範囲、土地の確保から通電までの流れをご紹介します。
プロジェクト概要
| 導入先 | 豊国製油株式会社 |
| 発電所所在地 | 三重県津市 |
| 発電所容量 | 749kW |
| 発電所と需要施設の距離 | 約20km |
| 発電所運転開始 | 2022年11月 |
| 自己託送開始 | 2022年12月 |
| 年間再エネ直接調達量 | 約100万kWh見込み |
| 主な関係企業 | 豊国製油株式会社 RE100電力株式会社 (運用初期) 株式会社サンパワー |
| サンパワーの主な対応範囲 | 土地調達、地域への説明、発電所開発、設計・施工、通電までの工程対応 |
※年間電力量は計画上の見込みであり、実際の発電量や供給量は天候、設備状態、需要、運用条件などによって変動します。

プロジェクトの背景
工場や事業所に太陽光発電を導入する場合、一般的には建物の屋根や敷地へ発電設備を設置し、その施設内で電気を使用します。
しかし、屋根面積、建物の構造、敷地条件などによっては、需要に見合う発電設備を需要施設内だけで確保できない場合があります。
自己託送を活用すると、需要施設から離れた土地も発電候補地として検討できます。
本プロジェクトでは、三重県津市に太陽光発電所を整備し、そこで発電した再生可能エネルギー電力を送配電ネットワークを介して豊国製油株式会社様の工場へ届ける構成としました。
自己託送システムの構成
本プロジェクトの電力は、主に次の流れで需要施設へ届けられます。
1.太陽光発電所で電気をつくる
三重県津市に整備した749kWの太陽光発電所で、再生可能エネルギー電力を発電します。
2.送配電ネットワークを利用する
発電した電気を一般送配電事業者が維持・運用する送配電ネットワークへ送り出します。
3.約20km離れた需要施設で利用する
送配電ネットワークを介して、豊国製油株式会社様の工場へ電気を届け、工場で使用する電力の一部として活用します。
4.発電と需要を管理する
自己託送では、発電量と需要量の予測、計画提出、実績管理などの運用が必要です。
本プロジェクトでは、RE100電力株式会社がアグリゲーターとして、送配電事業者等との協議、発電予測、計画提出などの自己託送運用 初期の担当しています。
3社の主な役割
豊国製油株式会社様
自己託送によって届けられた再生可能エネルギー電力を需要施設で利用します。
株式会社サンパワー
三重県津市の太陽光発電所について、土地調達、地域への説明・調整、発電所開発、設計・施工、通電までを担当しました。
RE100電力株式会社
運用開始時のアグリゲーターとして、送配電事業者等との協議、発電予測、自己託送に必要な計画提出などを担当しました。
現在の自己託送運用体制
現在は運用体制が変更され、RE100電力株式会社は本案件の自己託送運用に関与していません。
発電予測、需要予測、自己託送量の算定、広域機関への計画提出・変更対応など、自己託送の運用・アグリゲーション業務は、株式会社サンパワーが担当しています。
サンパワーは、発電所の土地調達、設計・施工、通電に加え、現在は自己託送の継続的な運用まで自社で対応しています。
これにより、設備を完成させるだけでなく、発電と需要を日々管理しながら、自己託送を実際に動かすところまで一つの流れとして扱っています。
サンパワーの対応範囲
自己託送は、太陽光パネルを設置するだけで完成するものではありません。
発電候補地、地域との調整、系統接続、設備設計、施工、通電、自己託送運用など、複数の工程と関係者を整理する必要があります。
本プロジェクトでサンパワーは、主に次の工程に対応しました。
発電候補地の確保
太陽光発電所を設置する土地の調達と、発電所として利用するための条件整理を行いました。
地域への説明
設備計画や工事を進めるにあたり、地域への説明と調整を行いました。
発電所の設計
土地、設備容量、系統接続、施工条件などを踏まえて、太陽光発電所の設備構成を設計しました。
発電所の施工
造成、基礎、太陽光パネル、電気設備など、発電所の施工を行いました。
通電・運用開始への対応
設備の施工後、通電と自己託送の運用開始に向けた工程を進めました。
土地調達から運用開始までの流れ
STEP 1 需要と目的の整理
需要施設の電力使用状況と、再生可能エネルギーをどのように活用するかを整理します。
⇩
STEP 2 発電候補地の確保
需要施設から離れた土地を含め、太陽光発電所の候補地を検討します。
⇩
STEP 3 系統・制度・契約条件の確認
系統接続、自己託送の制度要件、需要施設との関係、運用体制などを確認します。
⇩
STEP 4 地域への説明と調整
発電所の計画、工事、運用について、地域との調整を進めます。
⇩
STEP 5 設計・施工
土地と系統条件に合わせて発電所を設計し、造成、基礎、設備据付、電気工事などを行います。
⇩
STEP 6 通電・試験
施工した設備の確認と試験を行い、発電所を通電します。
⇩
STEP 7 自己託送の運用開始
発電予測、需要予測、計画提出などの運用体制を整え、自己託送を開始します。

この事例で実現したこと
本プロジェクトでは、需要施設内の屋根や敷地だけに限定せず、離れた発電地を企業の再生可能エネルギー活用へ結びつけました。
主なポイントは次のとおりです。
・三重県津市に749kWの太陽光発電所を整備
・約20km離れた工場へ自己託送
・年間約100万kWhの再生可能エネルギー直接調達を計画
・土地調達から発電所の設計・施工、通電までを実施
・アグリゲーターと連携した自己託送運用体制を構築
自己託送は、単に離れた場所へ電気を送るだけではありません。
発電場所、需要施設、系統接続、電力使用量、発電予測、需給管理などを一つの構成として整理することが重要です。
実績から見えてきた次の検討
完成済みの本プロジェクトは、太陽光発電による電力を自己託送によって需要施設へ届ける取り組みです。
一方、太陽光発電は夜間には発電せず、天候や季節によっても発電量が変動します。
そのため、昼間の自己託送実績と運用データをもとに、次の段階として次のような検討が考えられます。
・夜間を含む電力需要の分析
・時間帯ごとの発電量と需要量の比較
・ESSの容量と出力
・不足する電力の調達
・昼夜を通じた再生可能エネルギー活用
・企業電源全体の構成
これらは、完成済みの自己託送実績とは分けて検討する将来の構成です。
現地・施工写真

自己託送の導入事例についてよくあるご質問
Q.発電所と需要施設はどのくらい離れていますか?
A.本事例では、太陽光発電所と需要施設は約20km離れています。
自己託送を検討できるかどうかは、距離だけではなく、発電設備と需要施設の関係、系統接続、契約、需給管理などによって決まります。
Q.発電所の容量はどのくらいですか?
A.本事例で使用する太陽光発電所の設備容量は749kWです。
Q.自己託送では、どの程度の電力を届けますか?
A.本事例では、年間約100万kWhの再生可能エネルギー直接調達を計画しています。
実際の電力量は、天候、設備状態、需要、運用条件などによって変動します。
Q.サンパワーはどの部分を担当しましたか?
A.サンパワーは、発電候補地の土地調達、地域への説明・調整、太陽光発電所の開発、設計・施工、通電を担当しました。
現在はこれらに加えて、発電予測、需要予測、自己託送量の算定、計画提出・変更対応など、自己託送の運用・アグリゲーション業務も担当しています。
Q.同じ構成を他の企業でも導入できますか?
A.同じ構成をそのまま適用できるとは限りません。
電力使用状況、発電候補地、企業間の関係、系統接続、契約、運用体制などを個別に確認する必要があります。
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自己託送についてご相談ください
自己託送は、発電候補地があるだけ、または需要施設があるだけで導入できるものではありません。
電力使用状況、発電候補地、系統接続、制度、契約、需給管理、設計・施工などを含めて、全体構成を確認する必要があります。
サンパワーでは、土地や発電候補地がまだ確定していない初期段階から、確認すべき条件を整理します。
※本ページは、豊国製油株式会社様の自己託送導入事例を公開可能な範囲でご紹介するものです。
実際に検討できる設備構成、発電量、供給量、費用、期間、自己託送の適用可否等は、需要施設、発電候補地、系統接続、制度、契約、運用体制などによって異なります。
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