発電資源レシピ #01
世界と日本の電気は、何でつくられているのか?
―2025年の発電電力量構成比から、日本の現在地を読む

私たちが毎日使っている電気は、同じようにコンセントから届きます。
しかし、その電気をつくるために使われている資源の組み合わせは、国や地域によって大きく異なります。
石炭や天然ガスを多く使う国もあれば、水力、風力、太陽光、原子力を中心にしている国もあります。
この発電資源の組み合わせを料理の材料と配合のように見ていくのが、コラムシリーズ「発電資源レシピ」です。

第1回は、2025年の世界と日本の発電電力量構成比を比較します。
日本の電気が世界の中でどのような位置にあるのか、まずは大きなレシピから見てみましょう。
今回の発電資源レシピ
今回使用するのは、エネルギー調査機関Emberが公開している「Yearly Electricity Data」の2025年データです。
比較条件をそろえるため、世界と日本の両方について、同じ年、同じデータセット、同じ電源分類を使用しています。
ここで見るのは、発電設備の大きさを示す「設備容量」ではなく、2025年に実際に発電された電力量の構成比です。Emberのデータセットは、世界各国・地域の年間発電電力量を共通分類で整理しています。
2025年の発電電力量構成比

| 発電資源 | 世界 | 日本 |
|---|---|---|
| 石炭 | 33.1% | 32.1% |
| ガス火力 | 21.7% | 32.8% |
| その他の化石燃料 | 2.6% | 2.5% |
| 原子力 | 8.9% | 9.1% |
| 水力 | 14.0% | 7.2% |
| 太陽光 | 8.8% | 9.8% |
| 風力 | 8.6% | 1.3% |
| バイオエネルギー | 2.2% | 5.3% |
| その他の再生可能エネルギー | 0.3% | 0.0% |
大きく分けると、次のようになります。
| 分類 | 世界 | 日本 |
|---|---|---|
| 化石燃料 | 57.4% | 67.3% |
| 再生可能エネルギー | 33.8% | 23.6% |
| 原子力 | 8.9% | 9.1% |
※端数処理により合計が100%にならない場合があります。
出典:Ember「Yearly Electricity Data」2025年データ、2026年7月31日取得。
世界のレシピは、再エネと石炭が並ぶ構成へ
2025年の世界全体では、石炭が33.1%で、単独の発電資源としては依然として大きな割合を占めています。
一方、水力、太陽光、風力、バイオエネルギーなどを合わせた再生可能エネルギーは33.8%となり、石炭をわずかに上回りました。
世界全体の年間発電量で、再生可能エネルギーが石炭を上回ったことは、大きな変化です。
ただし、ここで注意したいのは、再生可能エネルギーと比較しているのが「石炭単独」であることです。
ガス火力やその他の化石燃料まで合わせると、世界の化石燃料による発電は57.4%を占めています。
つまり、世界のレシピは、
「再生可能エネルギーが最大の材料群になった」
とはいえるものの、
「世界の電力が再生可能エネルギー中心になった」
とまでは、まだいえない構成です。
日本のレシピは、ガス火力と石炭が それぞれ約3分の1
日本では、ガス火力が32.8%、石炭が32.1%です。
この2つだけで、日本の発電電力量の約64.8%を占めています。
その他の化石燃料を含めると、化石燃料全体では67.3%です。

日本の発電資源レシピは、ガス火力と石炭という二つの大きな材料を中心に、太陽光、原子力、水力、バイオエネルギーなどを組み合わせた構成といえます。
一方で、太陽光の割合は日本が9.8%、世界が8.8%となっており、日本の方がわずかに高くなっています。
日本は、再生可能エネルギー全体では世界平均を下回りますが、すべての再エネが一様に少ないわけではありません。
発電資源ごとに見ると、次のような違いがあります。
- 太陽光は世界平均をわずかに上回る
- バイオエネルギーも世界平均より高い
- 水力は世界平均のおよそ半分
- 風力は世界平均を大きく下回る
- 原子力は世界平均と近い
「再エネが多いか、少ないか」という一つの数字だけでなく、どの発電資源が多く、どの資源が少ないのかを見ることが重要です。
日本のレシピをつくっている背景
発電構成は、単に発電方式の好みだけで決まるものではありません。
利用できる資源、地形、気候、既存の発電設備、送電網、制度、電力需要、燃料の調達方法など、複数の条件が重なって形成されます。

日本は、すぐに利用できるエネルギー資源が限られ、国際的なパイプラインや国際連系線もありません。2024年度の一次エネルギー自給率は16.4%で、海外から輸入する資源への依存度が高い状態です。
一次エネルギー自給率と発電電力量構成比は異なる指標ですが、日本の発電構成を理解するうえで重要な背景になります。
ガス火力や石炭火力の割合が高いということは、発電設備だけでなく、燃料の輸入先、国際価格、為替、輸送経路なども、日本の電力供給に関係することを意味します。
一方、国内で利用できる太陽光、風力、水力、地熱などを増やす場合も、発電設備を設置するだけでは終わりません。
発電する場所と電気を使う場所をつなぐ送電網、天候による発電量の変化への対応、地域との調整、設備の維持管理なども必要です。
レシピに書かれているのは「材料」だけ
発電電力量の構成比から分かるのは、電気をつくるために使われた「材料の割合」です。
しかし、電力を安定して届けるためには、材料だけでなく、つくり方や組み合わせ方も重要です。
例えば、太陽光や風力は天候によって発電量が変化します。
水力、火力、原子力なども、それぞれ運転方法、調整力、燃料調達、設備条件が異なります。
さらに、送電線、電力市場、需要調整、地域間連系、蓄電設備なども、電力システムを支えています。
料理にたとえるなら、
- 太陽光、風力、水力、石炭、ガス、原子力などが「材料」
- 送電網、運用、需要調整、制度などが「調理方法」
- 蓄電池やESSが「保存や提供時間を調整する設備」
という関係です。
ESSは電気を新しく発電する設備ではないため、発電資源の構成比には含まれません。
ただし、発電した電気をため、必要な時間帯に移動させる役割を持つため、太陽光や風力などを活用するうえで重要な要素になります。
世界平均は、自社の答えではない
世界や日本の発電構成を知ることは、自社の再生可能エネルギー活用を考える出発点になります。
ただし、日本全体の平均的な発電構成が、そのまま一つの企業に適した構成になるわけではありません。
企業ごとに、電気を使う時間帯、使用量、施設の場所、屋根や土地の条件、停電対策、契約条件、将来計画が異なります。
そのため、企業の再エネ活用では、
- 自社施設で太陽光発電を行う
- 離れた発電場所から電気を届ける
- ESSで発電時間と使用時間の差を調整する
- 複数の調達方法を組み合わせる
といった方法を、自社の条件から整理する必要があります。
サンパワーの「法人向け再エネ構成診断」では、設備を一つに決めるのではなく、企業ごとの条件から主な構成候補と初期検討の方向性を整理します。
今回のレシピから見えること
2025年の世界では、再生可能エネルギーの合計が石炭を上回りました。
一方、日本ではガス火力と石炭を中心とした発電構成が続いており、化石燃料が発電電力量の約3分の2を占めています。
ただし、日本でも太陽光の割合は世界平均をわずかに上回っています。
重要なのは、日本の再エネ比率だけを見て評価するのではなく、太陽光、水力、風力、バイオエネルギーなどの内訳と、その背景にある地形、資源、燃料輸入、送電網、安定供給の条件を合わせて見ることです。
発電資源レシピは、国や地域の優劣を決めるためのランキングではありません。
発電量の割合から、それぞれの国や地域が抱えている条件や電力システムの特徴を読み解くためのものです。
次回以降は、特徴的な発電資源レシピを持つ国や地域を取り上げ、日本との違いを詳しく見ていきます。
関連ページ
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参照データについて
記事では Emberの2025年暦年データに統一しています。
資源エネルギー庁の2024年度確報では、日本の発電構成は再エネ23.1%、原子力9.4%、火力67.5%とされており、Emberの2025年データによる大分類とも、おおむね近い構造です。ただし、暦年と年度、電源分類、集計範囲が異なるため、本文の表には混在させません。
データの見方について
本シリーズでは、原則として対象年に実際に発電された電力量の構成比を使用しています。設備容量や電力契約上の電源構成とは異なります。
国や地域によって、集計期間、電源分類、推計値、自家消費、輸入電力などの扱いが異なる場合があります。構成比だけで発電方式や国・地域の優劣を評価するものではありません。また、端数処理により合計が100%にならない場合があります。
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本記事は、公開資料をもとに生成AIを情報整理、記事構成および文章作成の補助に利用し、株式会社サンパワーが出典、数値、内容、表現を確認・編集しています。
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再エネ活用を自社の条件に合わせて考えたい方へ

記事で紹介した内容は、企業ごとの電力使用状況、施設条件、発電候補地、蓄電池の活用方法などによって検討内容が変わります。
まずは、法人向け再エネ構成診断で、自社に合う再生可能エネルギー活用の方向性を選択してみませんか。
