日本初の自己託送 実績から見えてきた 再生可能エネルギー活用の次の段階
2022年11月に完成した「豊国製油株式会社」様 の自己託送システムは、日本初の稼働事例として、再生可能エネルギーの活用を次の段階へ進める可能性を示した取り組みです。
本記事では、この実績を起点に 自己託送の持つ意味と、その先に広がる電源活用の考え方を整理します。
日本初の自己託送「豊国製油」様 三重県津市 完成

2022年11月に完成した「豊国製油株式会社」様の1100kWh規模の自己託送システムは、日本初の稼働を実現した取り組みです。
この構成により、昼間の電力を100%再生可能エネルギーで賄う運用が進められています。
さらに、この実績を もとに 非化石証明書に頼らず、昼夜を通じて100%再生可能エネルギーでの運用を目指す第2期計画も進められています。
実際の運用データを もとに 次の段階へ進もうとしている点に、この事例の大きな特徴があります。
自己託送が意味を持つのは “離れた発電地を使える” からだけではない
自己託送は、自社の敷地外で発電した電力を自社の別拠点などで活用する仕組みです。
この考え方によって、発電地と需要地を分けて整理できるようになり、再生可能エネルギー活用の幅が大きく広がります。
ただし、この事例が示している価値は、それだけではありません。
発電した電力を どう送るかだけでなく、どの時間帯に、どのような需要へ、どう組み合わせて使うか まで含めて考える必要があることを示している点に 大きな意味があります。
24時間電源を考えた時、課題は 一気に現実的になる
昼間の電力を再生可能エネルギーで賄うことは、太陽光発電によって比較的イメージしやすいかもしれません。
しかし、夜間まで含めて安定した電源を考えると、課題はより具体的になります。
夜間需要を どう見るか。
天候による発電変動に どう対応するか。
どの程度の蓄電池容量が必要になるのか。
設備を増やせば よいわけではなく、需要、発電、蓄電、運用を どう組み合わせるかが問われます。
この事例は、再生可能エネルギー活用が「発電設備を導入する話」から、「電源全体を設計する話」へ進んでいることを示しています。
重要になるのは、シミュレーションと需要分析
再生可能エネルギーを実際の事業運用に組み込むには、設備規模だけではなく、需要分析とシミュレーションが欠かせません。
- どの時間帯に どれだけ電気を使うのか
- 天候によって発電量は どう変わるのか
- 蓄電池容量は どの程度必要か
- 余剰や不足に どう対応するのか
こうした条件を整理しないまま設備を決めると、過大・過小の判断につながることがあります。
豊国製油株式会社 様の事例が示しているのは、実運用に向けた構成では、こうした整理が土台になるということです。
さらに広がる 地産地消と地域電源の発想
サンパワーでは、三重県津市で370kWの太陽光発電による自己託送候補地も確保し、工事準備を進めています。
さらに、三重県内の他地域や滋賀県大津市など、複数の候補地についても検討を進めています。
こうした取り組みは、単に新しい設備を増やすだけでなく、地域で生み出した再生可能エネルギーを どう地域内外の需要へ結びつけるか という発想にも つながっています。
つまり、自己託送は 制度や設備の話にとどまらず、地域電源を どう構成するか という視点にも広がっていきます。
農地活用や地域連携とも つながるテーマ
再生可能エネルギー活用の広がりは、農地活用や地域連携とも結びついていきます。
たとえば、京都市木津川で進められているソーラーシェアリングの取り組みのように、農業と発電を組み合わせた地域電源づくりは、今後さらに広がる可能性を持っています。
自己託送の実績から見えてくるのは、発電、蓄電、需要だけでなく、農地活用や地域の中での電源づくりまで含めた、より広い再生可能エネルギー活用の姿です。
日本初の実績から見えてきたこと
豊国製油株式会社 様の自己託送事例は、単に「日本初」という実績に とどまりません。
そこから見えてくるのは、再生可能エネルギー活用が 単体設備の導入から、全体構成の設計へ進んでいるということです。
自己託送は、発電した電力を送る仕組みであると同時に、発電地、需要地、蓄電、運用 を どう結ぶかを考える入口でもあります。
そして その先には、24時間電源、地産地消、地域活用、農地活用といった、より広いテーマが つながっています。
まとめ
自己託送は、単に離れた場所へ電気を送るための制度では ありません。
発電、蓄電、需要、運用を含めて、再生可能エネルギー活用の全体像を考えるための重要な考え方の一つです。
豊国製油株式会社 様の事例は、その可能性を実運用の中で示した先進的な取り組みといえます。
今後も、自己託送、蓄電池、農地活用、地域連携を含めた広い視点から、再生可能エネルギーのあり方を考えていくことが求められています。
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